旧龍神街道 |
■ | 年月日 | 2019年10月27日 |
■ | 天気 | 晴れ |
■ | 同行者 | 二歩の会 |
■ | 行程 | 天一神社(駐車地)9:00−(車)−9:14流泉寺9:27−駐車地9:45−10:05峠分岐−10:08捻山峠10:11−10:30分岐10:40−11:25出谷小学校跡12:22−12:35錨集落跡12:53−13:45小原・岡氏宅14:25−14:50天一神社(駐車地)
(途中休憩、撮影時間含む) |
今回の二歩の会の山行では、奈良県十津川村にある旧龍神街道をたどって出谷小学校跡を訪ねた。出谷小学校は、旧龍神街道の通る標高600mの尾根上にある。そして、子どもたちは、北側と南側に山を下ったすそ野の集落から通っていたとのことである。今日我々が歩く道も、かつての通学路である。
午前7時、県庁舎集合。今回の参加者は18人である。車5台に分乗して、下山口である十津川村出谷にある天一神社を目指す。そこに車を一台置き、他の4台に分乗して、まず、登山口に向かう途中にある龍泉寺を目指す。十津川村は、明治初めの廃仏毀釈により、村内に54あった寺がすべて廃寺となったという。その際、龍泉寺では仏像などが保管され、1992年に再興されたとのことである。お寺を守っておられるC氏からいろいろとお話を聞くことができた。また、これから向かう出谷小学校のかつての写真もいただくことができた。
天一神社 |
傍らの祠の中の薬師如来 |
龍泉寺 |
天井には龍の絵が描かれていた |
子安地蔵 |
かつての出谷小学校を撮影した写真をいただいた |
龍泉寺を出て、少し車で行ったところが今日の入山地である。道路わきの広場に車を止め、準備をして出発。民家のわきの細い道に入る。アカマツの混じった雑木林の中を登っていく。一息登って、峠の分岐につく。ここを通っている道が旧竜神街道である。少しだけ昴の郷方面に行ったところにある捻山峠へ向かう。ほどなく到着。小さな祠があり、地蔵が祀られている。
車道から登山道に入る |
傍らに野菊が咲いていた |
峠の分岐から旧龍神街道を捻山峠へ向かう |
捻山峠に立つ祠 |
祠の中の地蔵 |
来た道を戻り、旧竜神街道をたどって出谷小学校跡を目指す。急峻な山肌に開かれた道は幅の広い立派な道である。ほとんど起伏もない。
旧竜神街道をたどる |
|
小休止 |
道端にキノコが顔を出していた |
快適に進み、出谷小学校跡に着く。緑色の水がたまった水槽がある。運動場だったと思しき所は、立木が生い茂っている。その中に、「出谷小学校・第六中学校出谷分校跡」と記された石柱が立っている。そこに記されたところによると、昭和45年に廃校となったようだ。50年近くの年月が過ぎていることになる。その向こうに、職員宿舎だったろうか、朽ちかけた建物が見える。少し早いが、ここで昼食休憩とする。昼食後、建物を見に行く。荒れ果ててはいるが、構造はまだしっかりしているようだ。2階に上がると、その一部屋にノートや教科書、雑誌類が散乱していた。
出谷小学校跡に到着 水槽 |
校庭と思しき所には木が生い茂っている |
立木の陰に教員宿舎が |
石柱 |
昼食休憩 |
教員宿舎 |
宿舎の2階に残っていたノート |
さて、下山だ。学校跡から少し行ったところから左に折れ、小原の集落を目指す。しばらく下ったところで廃屋が現れる。錨集落の跡のようだ。建物は朽ち果てているが、少し苔むした石垣がしっかりと残っている。
下山 |
旧龍神街道から小原への道へ入る |
廃屋が現れた 錨集落の跡のようだ |
石垣がしっかりと残っている |
廃屋の傍らにモチツツジが咲いていた |
さらに先へ進む。急斜面にジグザクに切られた、それでもなお急な道を下る。子どもたちにとって、ここを通うのは大変だったろうと思う。下りきったところに沢がある。木橋がかけられていたようだが、朽ちて渡れそうにない。飛び石伝いに対岸へ渡る。荒れた道を先に進むと、前方が明るく開け、小原の集落に着く。
急斜面にジグザグにつけられた道を下る |
小さな滝があった |
下りきったところで沢に出会う |
沢沿いに石積みの跡が 水田の跡だろうか |
ところどころ荒れた道を先に進む |
前方が明るくなった |
小原の集落に出た |
集落内のOさん宅へお邪魔し、いろいろとお話を聞く。昭和28年生まれというOさんも出谷小学校へかよったとのことである。通うのに1時間以上かかったという。Oさんのクラスは8名だったが、他学年のクラスは十数名いたというから、かなりの数の児童が在籍していたようだ。冬場は長靴が隠れるほどの雪も積もったという。出谷小学校よりさらに奥に5軒の家があり、のちに2軒になったが、郵便配達員が一日遅れの新聞を毎日配達していたということである。Oさんのお宅は高台にあり、見晴らしがとてもいい。目の前には、谷を挟んで、果無山脈の長い稜線が続いている。エサ台にひまわりの種が置かれている。ヤマガラがやってくるとのことで、我々の目の前で、種をついばんでいく。種を掌に載せて差し出してやると、そこからもついばんでいく。
目の前に谷を挟んで果無の山並みが |
ヤマガラ |
手のひらからひまわりの種をついばむヤマガラ |
お話を伺った後、下山口の天一神社を目指す。車道を少し下ったガードレールの隙間から山道に入る。荒れた道をたどり、神社に到着する。置いていた1台の車に運転手を載せ、登山口まで車を取りに行く。帰路、近くの上湯温泉へ。川沿いにしつらえられた広い露天風呂で汗を流す。17時20分、集合場所の県庁舎に無事帰着する。
天一神社を目指す |
荒れた道を行く |
天一神社の裏手に到着 |
上湯温泉 |