笠ヶ岳 |
■ | 登山日 | 2012年9月25日(火)〜27日(木) |
■ | 天気 | 晴れ |
■ | 同行者 | 単独 |
■ | 行程 | 【24日】 自宅13:10−15:40安濃SA16:05−18:06ひるがのSA19:14−21:00新穂高無料駐車場 420km 【25日】 駐車場6:20−6:30左俣林道へ−7:30笠新道入口−7:42わさび平小屋7:53−8:10小池新道入口−8:55秩父沢9:15−9:48イタドリケ原−10:19シシウドケ原10:35−11:00熊のおどり場−11:20鏡平11:45−12:42弓折岳分岐13:00−14:16双六小屋14:48−15:40双六岳15:50−16:35双六小屋 17.9km 【26日】 双六小屋6:05−7:15弓折岳分岐7:25−7:32弓折岳−7:53大ノマ乗越−9:19秩父平−大休止・昼食−11:14抜戸岳分岐−11:20抜戸岳11:34−11:42抜戸岳分岐−11:48笠新道分岐−12:40抜戸岩−13:20笠ヶ岳山荘13:35−13:47笠ヶ岳山頂14:33−14:45笠ヶ岳山荘 11.1km 【27日】 笠ヶ岳山荘6:25−16:40笠ヶ岳山頂6:50−8:10雷鳥岩8:25−9:10水場9:35−10:10沢−10:35樹林帯へ−10:45渡渉10:55−11:50渡渉点12:30−12:55クリヤ谷登山道入口−13:00中尾バス停・・・駐車場13:25−平湯バスターミナル15:00−安濃SA19:20−22:00自宅 (途中小休憩、撮影時間含む) |
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【24日】
紅葉には少し早いが,小屋は空いているだろうと,9月の天気のいい日をねらって二泊三日の山行を計画した.行きたいところはたくさんあるが,来年あたり黒部の源流域,水晶岳方面をと思い,下見も兼ねて双六岳を計画し,次の日に笠ヶ岳へ周回することとした.双六岳は,30年以上も前に雲ノ平から新穂高へ抜ける途中に歩いたのだが,雨に震えながらの山頂であったことを思い出す.
13時過ぎ自宅発,安濃SAで給油し,東海北陸道でひるがのSAへ.SAのコンビニでおにぎり等を購入し,新穂高の無料駐車場へ.21時駐車場着.上3段はおおかた駐車されているが,4段目はまだスペースがたくさんある.その一つに駐車し,寝床をこしらえて就寝する.
【25日】
5時過ぎ起床.山は見えているがガスがかかっている.しかし天気は良さそうだ.昨日買ったバームクーヘンとコーヒーで朝食とする.荷物を作り,準備体操をして6時20分出発.少しひんやりするがジャケットを着るほどでもない.工事中の橋を迂回して仮橋で対岸へ渡る.登山届けを出して,道ばたの野菊の仲間などを見ながら地道とコンクリート舗装が交互する左俣林道を進む.オオヤマレンゲの株が一つあり,その先の橋で右岸に渡って少し行くと笠新道の入口である.看板によると笠ヶ岳山荘まで7時間とある.およそ1500m登らねばならない.地図を見てもなかなかの急登のようだ.さらに先に進んでワサビ平小屋に到着する.先行者が一人休憩している.ここまで1時間20分。少し汗ばむ程度でペースはそんなに速くはないが快調だ。この調子で上まで登れればと願う。途中ブナ林などを見ながら小池新道入口に到着する.対岸に渡る橋には奥丸山の矢印があるがロープを張って通れなくしている.
朝の無料駐車場 |
左俣林道 |
橋で右岸に渡る |
笠新道入口 |
ワサビ平小屋 |
ブナの林 |
小池新道入口 |
奥丸山への橋は通行止め |
小池新道を登っていくと秩父沢である.何人かの登山者が休憩している.ここで大休止とする.槍,穂高が見えている.おにぎり1個を食べ,給水して出発."ココはチボ岩"とペンキで描かれた大きな石のガレ場を通り,イタドリケ原を越えてシシウドケ原へ.ここはベンチが置かれ,数パーティが休憩中である.秩父沢からおよそ1時間,再び大休止とする.シシウドの花はあまり見られないが,アザミの仲間の大きな群落がある.
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秩父沢 |
秩父沢上流を望む |
槍ヶ岳 |
穂高連峰 |
チボ岩 |
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イタドリケ原 |
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シシウドケ原 |
シシウド |
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アザミの仲間 |
鏡平を目指して出発.まわりの木々は少し黄色みを帯びているが,本格的な紅葉にはまだ間がありそうだ.熊の踊り場を過ぎ木道が現れてくると鏡平である.鏡池の縁に大きなテラスが設けられている.そこで何人かがカメラを構えている.30年前はこんなテラスはなかったなと思い出しながら,湖面に映る槍ヶ岳を期待したが,あいにくと槍の穂先にガスがまとわりついてなかなかその姿を見せてくれない.一瞬穂先が見えたことに満足する.小屋の横を抜け,点在する池の脇を木道で通り抜け,稜線を目指す.少し疲れてきた足に気合いを入れ,一歩一歩登っていく.およそ1時間で弓折岳分岐に到着.
熊の踊り場 |
紅葉にはもう少し |
鏡平に続く木道 |
槍ヶ岳はガスの中 |
鏡池に写る槍ヶ岳 |
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鏡平を俯瞰する |
弓折岳分岐 |
ここからはしばらく稜線歩きだ.一休みして稜線に乗ると目指す双六岳が見える.鷲羽岳も見えてくる.いい山だ.その奥に水晶岳も顔を出している.
樅沢岳との鞍部に双六小屋が見えてきた.稜線を離れ鞍部へと降りていく.木道を辿っていくと,左手に双六池が見え,その小屋よりがテント場である.ようやく双六小屋に到着する.受付をして,まずはビールといきたいところだが,今日の内に双六岳に登っておきたいので,ぐっと我慢をする.夕食が五時からということなので,あまりゆっくりはできない.
双六岳 |
鷲羽岳 |
双六岳 |
鷲羽岳 |
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草紅葉 |
ナナカマドの赤い実の向こうに双六岳 |
シラタマノキ |
双六小屋が見えてきた |
赤い実をつけたゴゼンタチバナ |
双六小屋と鷲羽岳 |
双六岳 |
穂先がガスに包まれた槍ヶ岳 |
樅沢岳 |
双六小屋とテント場 |
テント場と双六池 |
双六小屋 |
サブザックに水等最小限を詰め込んで双六岳を目指す.小屋の脇から登っていくと,ホシガラスがハイマツの実を盛んにつついている.食事場所が決まっているのだろうか,ハイマツの実がかたまって落ちている場所があちこちにある.何羽ものホシガラスが飛び交っている.先を急ぎながらも,見事な鷲羽岳の姿に眼を奪われる.振り返って見るとガスの切れ間に槍の穂先が見える.ようやく尾根に乗る.所々に草むらが点在する広い尾根だ.その先に山頂が見える.15時40分,双六岳に登頂する.鷲羽岳から水晶岳,その奥に赤牛岳,鷲羽岳の右奥に見えるのは野口五郎岳だろうか.アルプス最奥の山々が一望できる.来年はぜひ歩いてみたいという気持ちを強くする
ホシガラスがハイマツの実をついばんでいる |
巻き道ルート分岐 |
鷲羽岳 その左奥が水晶岳 |
中道分岐 |
槍ヶ岳 |
広い尾根の先に双六岳山頂 |
双六岳山頂 |
槍ヶ岳 |
鷲羽岳 右奥は野口五郎岳 |
水晶岳 その左奥に赤牛岳 |
北アルプス最奥の山々 |
双六小屋を俯瞰する 向かいの山は樅沢岳 |
小屋に戻って程なく夕食の時間.ようやくビールを飲む.今日の泊まり客は30人ほどだろうか.食後,夕日に染まる山々を撮影しようと外に出るが,あいにくと山頂にガスがかかってしまっていた.気温も下がってきたので,早々と布団にもぐり込んだ.
小屋の夕食 |
赤く染まった薬師岳 |
【26日】
4時半起床,外に出てみるとうっすらと霜が降りている.5時から朝食.6時5分双六小屋を出発.気温3℃である.テント場にでると双六池の向こうに今日の目的地である笠ヶ岳がきれいに見えている.快晴である.稜線にでると,槍・穂高連峰がシルエットとなっている.西方遠く,雲海の上に浮かんでいるのは白山.これから向かう稜線の向こうに笠ヶ岳がちょこっと顔を出している.抜戸岳分岐,大ノマ乗越,大ノマ岳,秩父平と辿っていく.途中の山々の展望に飽きることがない.秩父平に下る前方に岩峰が見えてくる.これが秩父岩だろうか.秩父平からひと登りして抜戸岳の稜線に乗る.
今日の目的地の笠ヶ岳 奥左のピークが抜戸岳 |
槍ヶ岳 |
槍穂高連峰 |
雲海の上に浮かぶ白山 |
これから辿る稜線 |
焼岳・乗鞍岳・御岳 |
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少し色づいたナナカマド |
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抜戸岳(左奥のピーク) |
秩父岩と抜戸岳 |
槍ヶ岳 |
秩父岩と抜戸岳 |
秩父岩 |
秩父平 |
秩父平 奥は黒部五郎岳 |
秩父岩 |
抜戸岳の稜線に乗る |
ここで大きく左に折れる.槍穂高がきれいに見えている.反対側には黒部五郎岳.その奥に薬師岳が見えている.展望を楽しんでいるとなかなか前に進まない.目の前の道にウラギンシジミがとまる.こんな所に・・・と少しおどろく.抜戸岳少し手前の展望のいい場所を選んで,少し早いが小屋の弁当で昼食とする.弁当を食べながら見ていると,先行者が一人抜戸岳へ登っていくのが見える.自分も登ってみようと,分岐にザックを置き,ハイマツの中を登る.途中大きな石の積み重なりを抜けると抜戸岳山頂である.ゆっくりとまわりの展望を楽しむ.三角点の所に置かれているお札を見ると"熊野修験 那智山青岸渡寺"と書かれているのにおどろく.
槍ヶ岳 |
黒部五郎岳と薬師岳 |
笠ヶ岳 |
ウラギンシジミ |
槍ヶ岳 |
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槍ヶ岳 |
穂高連峰 |
抜戸岳山頂にて |
槍ヶ岳 |
大キレット |
穂高連峰 |
槍穂高連峰 |
焼岳・乗鞍岳・御岳 |
槍ヶ岳と西鎌尾根 |
ここまで辿ってきた稜線 |
黒部五郎岳と薬師岳 |
抜戸岳山頂に置かれていたお札 |
抜戸岳を下りて少し行くと笠新道の下山口である.下に見えている平坦部が杓子平だろう.さらに進むと,大きな岩が2つに割れ,その間を道が通っている.抜戸岩である.抜戸岩を過ぎると,笠ヶ岳がずいぶんと近づいてくる.肩の部分に山荘も見える.ふと遠くを見ると富士山がかすかに見える.とすると,その手前は南アルプスだろう.山荘の少し下にあるテント場を過ぎ,最後のひと登りで笠ヶ岳山荘に到着である.正面に槍・穂高がそびえ立っている.まず笠ヶ岳に登っておこうと,水だけもって山頂に向かう.13時47分笠ヶ岳山頂.ふんわりとした雲を下に連なる山々を堪能した..
笠新道降り口 |
杓子平を俯瞰する |
抜戸岩 |
笠ヶ岳がずいぶんと近づいてきた 左下は播隆平 |
遠くに富士山が見える |
テント場 |
笠ヶ岳山荘への最後の登り |
笠ヶ岳山荘 |
笠ヶ岳山頂 |
笠ヶ岳からの展望 |
笠ヶ岳からの展望 |
遠くに見えるのは立山か |
笠ヶ岳からの展望 |
5時からの夕食を食べ,夕景の写真を撮るために外に出る.槍穂高がうっすらと赤く染まり,西の空の雲海も白山を浮かべて素敵であった..
槍穂高連峰 手前に笠ヶ岳の影が映っている |
赤く染まる槍穂高連峰 |
赤く染まる槍ヶ岳 |
赤く染まる穂高連峰 |
赤く染まった雲海に浮かぶ白山 |
日の暮れた空に月が浮かんでいた |
【27日】
5時起床.東の空は少し明るくなっているが,槍・穂高はシルエットである.遠く南アルプスの端っこに富士山が顔を見せている.5時半からの朝食の途中で日の出を撮影しようと外に出るが,雲の感じがあまりよくはなかった.おまけにカメラの電池が消耗している.
槍ヶ岳 |
穂高岳 |
遠く富士山も見える |
朝焼け |
荷物を整えて,6時25分山荘を出発.笠新道とクリヤ谷のどちらを降りるか迷ったが,来た道を戻るのもなんだと思い,クリヤ谷を降りることとする.小屋の人が熊が出るかもしれないなどと言っていたことを思い出し,ザックに鈴をつける.いったん笠ヶ岳に登り,石のガレ場を注意深く降りる.少し下に先行者が見える.今日この道を下るのは,2人だけのようだ.途中休憩している先行者を追い越し,先に進む.ルートはしっかりしているが,道は整備されているとは言えない.登山道上に突き出た大きな石の上を渡りながら歩かなければならないところも多い.濡れているとずいぶんと気をつかわなければならないだろう.切り立った尾根の西側をトラバースして雷鳥岩に到着する.ここで大休止.笠ヶ岳も見納めだ.ここから見て,なぜ雷鳥なのかと思ったが,少し先へ行って横から見ると,雷鳥に見えなくもない.槍ヶ岳も見納め.
振り返って見る笠ヶ岳 |
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雷鳥岩 |
クリヤの頭 |
笠ヶ岳も見納め |
槍ヶ岳も見納め |
クリヤの頭の西を巻いてずんずんと下っていく.笹の茂った中の道である.やがて水場に到着.正面に焼岳が見えている.ここで再び大休止.3日間顔を洗っていないことを思い出し,顔を洗う.水が冷たくておいしい.しばらくして,先ほど追い越した方が到着され,しばらく話しをする.大阪吹田から来たとのこと.先行して下る.右手に岩峰が見えてくる.錫杖岳である.やがて樹林帯に入り,途中の沢で小休止.さらに下って,地形図の穴滝の上流部でクリヤ谷の本流を渡渉する.岩づたいのため,増水しているときは渡渉は難しそうだ.河原に腰を据え,コッヘルを出してラーメンを作り昼食とする.食べている間に,先ほどの方が追い越していく.さて,最後のひと下りで槍見温泉横の登山口に降り着く.下山届けを出し,舗装路を少し下って対岸に橋を渡る.橋の下は露天風呂である.のぞき込むと2人ほど湯につかっているのが見える.吹田の方が13時5分にバスがあると教えてくれる.少し遅れて到着したバスで無料駐車場まで戻る.歩いたら数十分はかかっただろう.ラッキーであった.
樹林帯にはいると,所々にこのような標識があった |
錫杖岳 |
錫杖岳 |
帰路は,平湯のバスターミナルで温泉に入り,東海北陸道の関SAで休憩,東名阪の安濃SAで夕食・給油をし,家に着いたのはおよそ22時であった.
紅葉には少し早い中途半端な時期であったが,人も少なく,また,天気にも恵まれ,展望を満喫した山行であった.